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  Finally 〜『ガルフォース』に愛を込めて


  夢がインクのように
  滲み出ていく
  セラミック・シティ
  膝を抱えたままで
  途方に暮れてる
  ストレイ・チルドレン

  誰も悪くはないのさ
  錆びた心が軋んだだけさ
  明日を撃ち込む プリンターから
  ブルーな データが
  零れていくよ

 ( 『BLACKMAGICK M-66』 から 「FINALLY」 )



 『ガルフォース 新世紀編』 が終わりました。『ガルフォース』 シリーズもこれで終わりのようです(ホントウダロウカ?)。作品の完成度はどうかと言えば、水準に達しているとはとても言えないでしょう。作画では 「地球章1」 のような大きなポカは無かったようですが、「宇宙章」 とは比較になりません。ストーリー設定もやたらに大きい割りには中身がスカスカでした。“ユーマン” がその最たるもの。何か展開に大きな意味がありそうで、その実、物語の展開にはほとんど寄与していません。描写が少な過ぎます。
 ごく個人的な事情を言えば、自分勝手に 「SONGS FOR “GALL FORCE” 4」 を作ってしまったというのも、『新世紀編』 になじめない理由の一つです。「G.O.R.N.」 を必ずしも悪玉ではないという描き方をしてしまったので、『新世紀編』 の展開に違和感を持ってしまったのです。でも、これは本当に個人的な理由ですから、作品の一般価値評価とは関係ありません(^_^;)。
 閑話休題。
 それよりも、大きな問題は声です。確かに、前作までのメインキャラクターを演じておられた声優さんたちは、30才前後ということで、商売的に苦しいということはあるのかも知れません。作品の対象が中学・高校生ですから当然考えられることです。ずっと若い(?)、もとい、若手の人気声優の方がいい。そういう理由で変更したということなのでしょう。

 しかし。
 しかし、です。ずっと彼女たちを追ってきた者にとっては、声が変わってしまうのはつらいことです。キャラクターのシフトが同じなのですから、あのキャラはこの声というイメージが固まっています。それが完全に外されてしまうのです、これは苦しい。耳から入ってくる声と前もって作っていたイメージを、その場でいちいち修正しなければならないのですから。具体的に言えば、横山智佐さんは 『ラムネ&40』 のミルクのイメージが強過ぎてだめでした。ガーネットの天野由梨さんも、弱い感じでエルザ=フォルティンのラインには合わなかったようです。そんな中で、パールを演じた白鳥由梨さんだけは別格でした。パールの声には感情移入できたので、後半のストーリーにはなんとか乗って行けました。やっぱり、ラミィにはいつも助けられています(^_^)。
 もともと7人全てをうまく動かそうとするには描写する時間が足りないんです。
 だったら、いままでシリーズとして作ってきたイメージを利用することを考える方がずっと利口だったのではないでしょうか。松井さんなら、ラビィ=サンディ、鶴さんなら、ルフィー=スコア。声を聞くだけですぐにキャラクターを理解してもらえるのです。もちろん、『新世紀編』 を独立した作品だと考えるなら、この考え方は成立しません。でも、『新世紀編』 の作り方は明らかにそうではありませんよね。積極的な理由があっての声優交代とは、私には思えませんでした。
 結局、『地球章』 と同じように中途半端な作品になってしまったのです。

 けれど。
 それでも、案外気に入っているのです、『新世紀編』 は。
 7人が宇宙に出てからの展開が 『宇宙章』、「エターナルストーリー」 をなぞろうとしているのが、ひしひしと感じられるのですね。決してうまくこなしているとは思いません。「エターナル」 の方がずっと内容も密度も上です。でも、「うんうん、気持ちはよーく分かるぞ」 と納得してしまうのです。ここまで来ると、個々の作品の出来不出来のことの方が気になってしまうのですね。気持ちがあれば、それでも満足っていうファンの心理でしょうか。
 そういった点では、エンディングが一番気に入っています。渡辺菜生子さんの歌、「時の舟」 をバックに描かれるイラスト。そう、山田麻里緒さんのイラストが良かったんです。
 私が、あれこれ延々と書いている文で表現したいものが、きっちり出ていました。さすがにファン上がりというところでしょう。

 他愛のない日常の姿。
 笑ったり、泣いたり。
 じゃれあったり。
 ほんの少しでも、そんなごく当たり前の彼女たちが見られたから。

 それだから、というのは甘過ぎるかもしれないけれど、案外気に入っているのです、『新世紀編』 は。本当はエンディングではなく、本編で描いて欲しかったのですけれどね。



  陽気なふりをしないで
  つくり笑顔見せないで
  悲しいときは
  素直に涙 見せる
  君が 好きだよ

  Pull up, 君を大切に
  Pull up, して行けるならば
  Pull up, 何も惜しくはないのさ
  Pull up, この声聞かせたい
  We've been finally Free!



 これで 『ガルフォース』 シリーズも幕を下ろしたようです。
 私も、もう今までのように勝手なお話を作り続けるかどうかは分かりません。多分、『新世紀編』 の作り直しのようなことはやらないでしょう。『バブルガムクライシス』 の方で勝手な話を作るときには、当分、彼女たちに登場してもらうと思いますけれどね。
 でも、彼女たち10人は私の心の中の何処かで生き続けます。
 色々な物語を考えるとき、妄想するとき。
 ラビィ、ルフィー、エルザ、キャティ、パティ、ポニー、ラミィ、シルディー、スピア、アミィ。彼女たちが形を変えて登場することになってしまうでしょう。画面の中だけでなく、心の中で彼女たちは生きているんです。それだけ 『ガルフォース』 という作品は私にとって特別なのです。
 もちろん、文字だけで彼女たちのことを十分表現できるかどうかは分かりません。でもやってみます。
 そして、そんなときは。
 きっと、彼女たちの心からの笑顔で物語を幕切れを飾る。
 そうおもっています。


私は 『ガルフォース』 が好きです。



1992年夏 服部真一郎        



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