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  FORCE 10 FROM FAR BEYOND


 「地球章」 が完結しました。「レア・ガルフォース」 から 「地球章3」 までの4作です。この最後の 「3」 が 「地球章」 全体の評価を決定してしまいました。

 こういうことを言うのは心苦しいのですが、きちんと見られる作品は 「レア・ガルフォース」 と 「地球章2」 だけです。「地球章1」 は作画がなっていませんでした。ストーリーの方は納得のいくものだっただけに残念です。しかし、「地球章3」 は最悪でした。わざわざイベント会場で見た私は、悲しかった。絵も、ストーリーも今までのレベルとは段違いに悪かった。
 「ガルフォース」 に “悪い” なんて言葉は使いたくないのですが、言わざるを得ません。話が理解できないのです…。ラスト近くでゴーンはいったいどうしたのでしょう。あそこで何がおこったのでしょう。そして、どういう理由で? 頭が良くないせいか、全く理解出来ませんでした。

 せっかく遙かな時を越えてめぐり逢った10人のガルフォースたち。それなのに、なにもないのも悲しいことです。
 「地球章2」 でバージィがスコアに “あなた、どこかで会ったことないかしら?” と問い掛ける、ああいったシーンをファンとしては色々と期待していました。
 もちろん、独立した作品ですから、そういうことばかりやって欲しいというわけではありません。でも、なんとなく嬉しくなる描写がもう少しあればと思います。それに頼って、ストーリーを進めてみてもいいのではないでしょうか。生まれ変わる、どの世界でも運命に立ち向かう勇気ある彼女らを描いていくのがこのシリーズなのですから…。

 やはり10人のキャラクターというのは多過ぎるのでしょう。純技術的に言えば、「宇宙章」、「ガルフォース2」 の行き方が正解なのです。キャラクターを整理して、ストーリーのポイントを絞るというのが。でも、「地球章」 はラビィたちが転生する世界として始まってしまった。
 苦しいですよね。
 私も、整理して分かりやすいキャラクター配置、ストーリー展開だけが良い作品の条件だとは思いません。アニメーション、特にOAVはキャラクターの魅力が一番大切ですから。
 このガルフォース世界を生みだしてくれた、ラビィ、エルザ、ルフィー、キャティ、パティ、ポニー、ラミィ。その想いを引き継いでくれた、シルディー、スピア、アミィ。
 とても魅力的な子たちです。だから、彼女たちがフルに活躍する場所であって欲しかったのです。「地球章」 は。
 でも、結果的にはうまくいきませんでした。残念です。

 それでも、やっぱり彼女たちは特別です。園田さんの画集に描かれた、明るい姿を眺めていると、どんどん世界が広がっていきます。自然に彼女たちの生きる世界が想像されてしまうのです。

 一方では、ごく普通の日常。
 繰り返されるルーチン。
 たわいない悩みと喜び
 一方では苛酷な運命。
 遙かな時を越え、
 空間を越え、繰り返される対立。
 行き着くゴールのない戦い。
 それを乗り越え、戦いでない何かを求め続ける10人。

 どちらも、いまさら捨てることなどできません。だから、まだこんな本を作っています。「地球章」 で見たくて、見られなかったもの。それを幾つも並べてみたのがこの本です。
 他の人たちが見たかったもの。
 作者たちが描きたかったもの。
それとはずいぶんと違うことでしょう。でも、これが私の中の10人です。

 前の 「SONGS FOR “GALL FORCE” 2 」 の中で、「COSMIC CHILD」 の中から “もしもすべてが消え果てても、けして忘れないから” という歌詞を引用しました。「ガルフォース3」 の直後だったので、少しセンチメンタルに哀しさをイメージしていました。
 けれど、今回、この話を作る前に聞き直すと全然イメージが違うのです。なんていうのか前向きなんですよね。思い出を抱えて生きていく、というのではなく、持っている記憶の通り、また取り戻してやるぞという決意みたいに感じました。今回私がでっちあげた話のキャティは、そのイメージが重なっています。
 絵が悪くたって、ストーリーが少々ひどくたって、「地球章3」 がそういったイメージをかきたててくれる作品だったなら、良かったのです。「2」 まではきちんと見るべきところがありました。でも、「地球章3」 はそうなってはくれませんでした。サンディたちの 「知恵と力と勇気」 が示されていたか。10人がフルに活躍したか。繰り返すようですが、それが 「地球章3」 の最も残念な点でした。

 こんなことは書きたくないのです。
 だって、好きなんです。
 10人全員が。
 ラビィ、エルザ、ルフィー、キャティ、パティ、ポニー、ラミィ、シルディー、スピア、アミィ。
 だから、キャティのように諦めることなく、いつかきっと10人のために素敵な話が生まれるように、「ささやかな勇気 不屈のユーモア そして天下無敵のハッピーエンド」 であることを(できればそれが 「新世紀編」 であることを)祈って、今日も彼女たちを見守っています。


私はガルフォースが好きです。



1991年夏 服部真一郎        



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