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  チェスの話 〜イントロダクション〜


 ボードゲームの代表格として有名なチェス。インドで生まれたシャトランジというゲームが西に進んでチェスになり、東に進んで中国では象棋、日本では将棋になりました。
 ヨーロッパでは、まず王侯貴族の間で広まり、かなり長い間は貴族だけのゲームだったようです。ですから、初期の頃の名人とされるひとたちは貴族や僧侶など上流階級に属していました。例えば、ルイ・ロペスというスペインの司教はチェスの名人としても有名で、次のような伝説が残されています。
 ある夜、悪魔が彼にチェスで挑戦してきました。負けたら魂を渡すという約束でゲームを始めましたが、さすがに悪魔は強く、いままで負けたことのなかった司教も、もうだめだと観念するところまで追いつめられてしまいました。そして、とうとう、悪魔が最後の一手を指しました。終わりだ、そう思った瞬間、悪魔はすさまじい悲鳴をあげて逃げていったそうです。司教が不思議に思って盤面を見ると、なんと駒が十字架の形に並んでいたのでした。
 そんなサロン時代のチェスを経て、今では、誰でもプレーできる室内ゲームとして世界中に広まっています。また、ヨーロッパの各国は、チェスをスポーツとして奨励しています。日曜の公園などでチェスを指している光景など、ごく普通に見られるものです。バスケットのハーフコートほどの広さの盤と、子どもくらいの大きさの木製の駒が備えてある公園などというのもあって、自分の身体の半分ほどの大きな駒を運ぶように動かしてプレーしているのも珍しいことではありません。日本では、まだ、ちょっと広がりが狭いのは残念ですね。



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